お客さんがやってくれる
いろいろな商売を見ていると、面白いと言いますか不思議だなと思うことが時々あります。
先日『峠の釜めし』で有名な『おぎのや』さんの、『ドライブイン横川店』に立ち寄りました。休日とあって、食堂や土産物店のある1階は大賑わいでした。釜飯の食事は2階でも食べられるということなので、2階に行きました。2階席はまるで学生食堂のようで、長テーブルと椅子がたくさん並んでいました。奥の方の席は団体のお客さん向けでした。出来上がった釜飯を並べるのですから、団体には提供しやすい商品だと思います。
私たちのような一般のお客さんは、2階に上がるとカウンターで会計をして、お盆にのった釜めしを受け取り好きな席で食べます。つまりセルフサービスですね。
釜めし定食は、釜めし・さしみこんにゃく(上州名物です)・味噌汁がついて1,200円くらいでした。決して安くないと思います。しかも本当に昔ながらのスキー場の食堂のような感じの場所でのセルフサービスです。
私は、奥へ行くほど味噌汁をこぼす危険性が増すので(笑)、入口付近のテーブルで食べていました。すると食べ終わったお客さんが食器を持って目の前を通って行きます。食器を再び入口付近まで返すわけです。
フードコートなど、普段セルフサービスの食器返却は洗い場の前の棚に置くことが多いと思いますが、2階のためか、洗い場がないのでテーブルの上に食器が積まれています。よく見ると、味噌汁の椀、こんにゃくの皿、お茶椀、釜めしの釜など種類毎にきれいに積まれているのです。それぞれ何列かになっていました。倒れないようにお客さんが判断してるのでしょう。ゴミも分別です。
私も食べ終わって食器を持って行き分別しました。いろいろ種類があって思ったよりも大変でした。残飯処理もやります。それでもみんなきちんとやってから帰っているようです。この時私は思いました。「高いお金を払ってもお客さんはやってくれる時はやってくれるものだな」と。
街にあるレストランと比べても、決して安いわけでもないと思います。また特別快適な場所でもありません。しかし「ここはこういうシステムだ」ということを店側が作ってしまうと、お客さんというものは普通にやってしまうものだと感じました。例えばこの“セルフ分別システム”に不満があれば、もっと食器は乱れていると思います。ところが結構きれいに整っていました。お店にとって仕事の一部をお客さんがやってくれるのですから、これほど助かることはありません。
これには『峠の釜めし』というブランド力や、旅先での人の気持ちというものも関係していると思いますが、それを見越してのことでしょうか。とにかく勉強になりました。
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